デザイン会社の仕事
ユリスモール・バイハンが転校してすぐの夏休み、エーリク・フリューリンクは義父のユーリ・シド・シュヴァルツと湖畔で過ごしていた。2人はなかなか亡くなったマリエの話をすることが出来なかったが、ユーリ・シドがエーリクはマリエによく似ていると言ったことからそのような悩みもなくなる。ユーリから手紙が来た。エーリクはうまく返事を書けない。オスカー・ライザーが訪ねてくる。神学校へ行ってユーリに会ってきたと言う。エーリクは考える。失ったものは帰ってくるのだろうか、いつか思いは実を結ぶのだろうか、と。 「トーマの心臓」のオスカー・ライザーがシュロッターベッツ・ギムナジウムに来るまでの話。漫画雑誌『プチフラワー』1980年春の号に掲載された。母親を殺害した父親と初めて親子らしい日々を過ごす1年間を描いたロード・ムービーのような作品で、独立の作品としても人気が高い。 オスカー・ライザーは母ヘレーネ・ライザーからは溺愛され、デザイン会社 からは無視され、家庭内に居場所がないように感じていた。それでも家族がうまくやっていると思い込んでいたが、一方で自分は父親の子供ではないのではないかと疑っていた。それは事実で、子供が欲しかった母は大学時代の旧友ルドルフ・ミュラーの子を産んだのだった。父グスターフはそれを知っていたが、妻に事実を告げられ、衝動で撃ち殺してしまう。そしてオスカーは父が母を殺したこと、自分が父の子供でないことを悟る。オスカーは父を必死に警察からかばうが、父はオスカーと飼い犬のシュミットを連れて逃亡の旅に出る。旅に出てから2人は初めて親子らしい時間を過ごし、絆が深まっていく。しかし殺人のプレッシャーから父は片目が見えなくなり、母にそっくりのオスカーにも当たってしまう。そして、実の父ミュラーが校長を勤めるシュロッターベッツ・ギムナジウムにオスカーを預けると、父は南米へと去ってしまう。オスカーは父が自分を捨てたことを分かっていた。シュロッターベッツ・ギムナジウムに入ったオスカーは、父グスターフの子供になりたかったと泣く。 「トーマの心臓」の原型とされていた作品。漫画雑誌『別冊少女コミック』テレマーケティング に掲載された。 ごく短編であるためか、キャラクターの心理描写よりストーリー性がまさった作品になっている。 この作品は「トーマの心臓」の原型であると長い間読者に信じられていた。「11月のギムナジウム」が雑誌に掲載されてから約3年後に「トーマの心臓」の連載が始まった時、そのキャラクターや舞台設定が前者に酷似していたことから、読者の多くが、「トーマの心臓」は「11月のギムナジウム」をもとに生まれたものと解釈し、それが長年にわたって続いていた。しかし、2007年に出版された作品集の中で作者自身が明らかにしたところによると[1]、「11月のギムナジウム」が雑誌に載るよりもっと以前、まだ仕事が少なかったころに発表の当てもなく描き始めたのが「トーマの心臓」で、その後ほぼ同じキャラクターと舞台設定を使って別のストーリーにする着想を得て描いたのが「11月のギムナジウム」だった。制作着手の順番と発表の順番が逆になったのは、本作品が短編であることから雑誌掲載の機会が得やすかったためである。 11月の第一火曜日の午後、ヒュールリン全寮制ギムナジウムにエーリク・ニーリッツが転入してきた。転入早々、このギムナジウムのアイドル、トーマ・シューベルとうりふたつのため大騒ぎとなる。エーリクを初めて見たトーマはその場で笑い出してしまうが、短気で気の強いエーリクはその態度に怒り、トーマを殴ってしまう。そのことが元でトーマのことが好きなオスカー・ライザーから手荒い歓迎を受けることになった。先物取引 の問題で密かに悩んでいたエーリクは、授業中にオスカーを殴り教室を飛び出し、草地で授業をエスケープしていたトーマと偶然遭遇する。トーマは15年前に死んだ兄とエーリクは特徴がそっくりであると告げ、仲直りをしようともちかけるがエーリクはそれを拒否する。トーマはエーリクと自分の関係をクラス委員のフリーデルに打ち明けるが、雨の週末休暇にトーマはエーリクの実家に行き、エーリクの母親に会ってきたことが原因で病に倒れる。それから数日後、トーマは病死する。トーマの葬儀の翌日、フリーデルはエーリクに全てを打ち明ける。 『とめはねっ! 鈴里高校書道部』(とめはねっ すずりこうこうしょどうぶ)とは河合克敏による書道を題材とした漫画である。書道監修は武田双雲。 週刊ヤングサンデー(小学館)2007年2号より2008年35号まで連載(ただし、休刊号までの1年半余で47回掲載、約1/3の号で休載というペースだった)。同誌の休刊に伴い、ビッグコミックスピリッツ41号より隔週連載となっている。単行本は2008年9月現在で3巻まで発刊されている。 河合にとっては青年漫画誌での初連載となる。 主人公の大江縁はカナダ帰りの帰国子女。中学卒業後に帰国し、貸会議室 のはずれにある私立鈴里高校に入学するが、部員数が足りなく廃部の危機にあった書道部の先輩たちに弱みを握られ、入部させられてしまう。 入部後は書道に興味を少しずつ持ち始めた縁であったが、その矢先にクラスメイトの望月結希が投げ飛ばした男子生徒が直撃し、利き手の右腕を骨折してしまう。縁を骨折させてしまったという結希の弱みを握った先輩たちは「字が書けなくなっている縁の代わりに」という理由で、柔道部のホープであった結希も臨時部員として入部させようとするが…… 本作の主人公。私立鈴里高等学校の1年生。非常に大人しく気の弱い性格。小学2年生のときから中学3年生までカナダのプリンスエドワード島に住んでいた帰国子女。日本に帰国し、鈴里高等学校に入学。入学式で隣り合わせになった望月結希に一目惚れした。書道部の先輩の着替えを偶然見てしまい、脅迫されて書道部に入部させられる。書道部唯一の男子部員。日本の義務教育で必修の習字をしたことはなかったが、日本在住の祖母と文通していたことから硬筆の字は上手。眠たそうな眼つきをしており、ガチャピンに似ていると言われている。携帯電話は持ってない。 望月 結希(もちづき ゆき) 鈴里高校の1年生で縁のクラスメイト。会議室 だが非常に気が強く負けず嫌いで、性格や思考が体育会系。柔道では全日本で準優勝するほどの腕前で、入部した柔道部では男子相手に練習をする程である。高校柔道日本一も狙えるとして期待されている。前述の事故に責任を感じ、書道部にも入部することになった。縁に対抗意識を抱いているようで、縁が褒められるといい気がせず、逆に縁にできないことがあると密かに喜びを感じている。また、縁が鵠沼学園の宮田と交際していると誤解し、そのことを考えると何故か心中穏やかではない。勝負事となると実力に関係なく熱中する癖がある。ジャージが一張羅で、ファッションセンスが少々ズレている。筆順も間違えるなど書に関しての能力は低いが、悪筆にコンプレックスを抱いており快活な自分とは違うおしとやかな女性らしさを身に付けるため書道に打ち込み始める。書道部の活動に参加するあまり練習不足で優勝は無理と見られていたインターハイでは、48kg以下級で優勝したが夏の思い出にも上がらないというほど。10月の国体の柔道・少年の部で神奈川県代表に選ばれた。 日野 ひろみ(ひの ひろみ) 鈴里高校書道部の部長。2年生。性格はとても優しく真面目で面倒見も良い。書道部が5人以上にならないと廃部になる事を悩んでいた。書道の腕前は中学時代から知られているほど優秀。同じくらい優秀で見た目も全く同じだが性格が正反対の双子の妹・よしみがいる。恋愛話などは大好き。身長150cm。 加茂 杏子(かも きょうこ) 鈴里高校書道部の副部長。2年生。部員不足を理由に廃部の危機にあることから、自分の着替えしていたところに偶然居合わせた縁を脅迫して書道部に入部させた張本人。目的のためなら手段を選ばない性格らしく、結希との柔道対決のときに口から墨を噴き出し目潰し作戦を敢行した(が失敗に終わる)。身長175cm。周辺のヤンキー達から一目置かれている。 三輪 詩織(みわ しおり) 鈴里高校書道部の会計。2年生。穏やかで端麗な外見だが悪知恵に長けている。頭の回転が速く、縁や結希を入部させるための計画を立てたのも彼女。 影山(かげやま) 鈴里高校の世界史の教師。1年3組(縁や結希のクラス)の担任で書道部の顧問。杏子や詩織から『ハゲ山』と呼ばれるなどイジメられるのが嫌で、書道部に姿を現さなくなっていた。しかし縁たちが入部してからは顧問として張り切っている。中国史オタクらしく、授業では中国史を熱心に教えてしまい西洋史が疎かになるので、評判が悪いらしい。犬が苦手。 久我 将也(くが まさや) 鈴里高校の1年生。腰越南中学校出身。望月をナンパしようとして一本背負投で投げ飛ばされる。その後、望月を追って柔道部に入部した。アフロ気味のヘアスタイルだったが、それに伴い坊主頭になる。 島田(しまだ) 鈴里高校の柔道部顧問。部のホープである望月が書道部と掛け持ちであることに不満を抱いている。髭面で頭髪が薄い。何故かオカマ口調だが、少々スケベ。